胃粘膜下腫瘍

胃粘膜下腫瘍とは

胃は食べ物と接する側から、粘膜層、粘膜下層、固有筋層、漿膜層と層構造をしております。

通常ポリープは胃の表面の粘膜(粘膜層)から発生しますが、その下側の粘膜(粘膜下層、固有筋層、漿膜層)や血管・神経などから発生したポリープのようなものを粘膜下腫瘍といいます。

ポリープは、粘膜層で大きくなるため表面の粘膜の模様が周囲と変化しますが、粘膜下腫瘍は粘膜の下側で大きくなるため、表面の粘膜は周囲の正常な粘膜と変わらず隆起した変化として捉えられます。(大福餅に似ているかもしれません。中身の「あんこ」がどのような種類か問題ですが、表面から見ただけでは皮に覆われており中身に何が入っているかわからない状態です)

症状

大半の方は無症状ですが、胃粘膜下腫瘍が大きくなると、胃の通行の妨げになるため嘔気・嘔吐が起こったり、出血を来たすと貧血・吐血・黒色便などが起こることもあります。

種類

悪性リンパ腫、カルチノイド、迷入膵(すい臓の組織が誤って胃で増えてしまったもの)、GIST、リンパ管腫、のう胞、脂肪腫、平滑筋腫などが粘膜下腫瘍の原因となります。
良性~悪性まで多彩です。特にGISTgastrointestinal stromal tumor:消化管間質腫瘍)は手術が必要な病変であり、その後の経過にも影響するので早期発見が重要となります。

検査

上部内視鏡検査(胃カメラ)

胃内視鏡検査(胃カメラ)で胃粘膜を直接観察することで分かります。
また胃カメラで観察しても分からないものは、胃カメラの先端に超音波が付いた特殊な内視鏡を使い、粘膜下の状態を調べます。

超音波内視鏡(EUS):当院では行っておりません。

胃カメラの先端に超音波が付いた特殊な内視鏡を使い、粘膜下の状態を調べます。
胃は内側から、粘膜層、粘膜下層、固有筋層、漿膜層と5層構造をしております。どこの層に出来ているかでどのような病気か診断することができます。また内部構造の均一性を調べることができ、悪性度などを判断することができます。
超音波内視鏡が必要な方は、提携している病院やクリニックにご紹介いたします。

治療

胃粘膜下腫瘍の種類や大きさなどにより、そのまま様子をみることもあれば、手術が必要になることもあります。

40歳をこえたら胃カメラをお勧めします

数年前に胃粘膜下腫瘍と言われたけど、その後の健診の胃カメラでは「胃粘膜下腫瘍は無かった」と言われていませんか? そのときの患者様の体調コンディションや内視鏡医の経験によって、見つからない場合があります。なかには数年でサイズが大きくなり手術が必要な患者様もおります。早期発見・早期治療のためにも高精度な検査を提供している医療機関で精密な胃カメラを受けることが重要です。

胃粘膜下腫瘍で手術が必要になるGISTは、早期の自覚症状に乏しいため進行してから発見されることが多い病気です。しかし、GISTは早期に発見して適切な治療を受ければ再発などのリスクを減らせる病気です。自覚症状のない早期の段階でも、内視鏡検査であれば発見が可能です。そのため、早期発見には定期的な内視鏡検査が有効です。特にリスクが上がりはじめる40歳を超えたら、症状がなくても胃カメラを受けることが重要です。病変がない場合でも粘膜の状態を確認してピロリ菌感染の有無を調べることでより適切な予防につなげることもできます。また、当院では胃カメラの際に、食道や十二指腸も全例しっかり調べております。ご家族に胃粘膜下腫瘍になった方がいるなどは、40歳を待たず早めにご相談ください。


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※血液をサラサラにする抗凝固薬、抗血小板薬などをお飲みの方は、これらの薬を内服したまま検査を行った場合、病変が見つかっても切除してくることが出来ないことがあります。ただし、むやみに休薬すると心筋梗塞や脳梗塞の再発リスクがある患者さまがいらっしゃいますので、休薬してよいか処方医に当院から確認させて頂きます。

※糖尿病のお薬(インスリン注射含む)を使用中の方もお食事を抜くことによる血糖変動のリスクがあります。検査時間を細かく計画いたしますのでご相談ください。

TEL.042-850-7140 24時間WEB予約 WEB問診
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