胃悪性リンパ腫

胃悪性リンパ腫とは

胃がんや大腸がんは粘膜が“がん”化しますが、リンパ球が“がん”になり胃の組織内で異常に増殖したものです。MALT(マルト)リンパ腫とB細胞性リンパ腫があります。

症状

胃内のリンパ腫が大きくなると、腫瘤となり食物の通過を障害したり(嘔吐・嘔気)、出血を起こしたり(吐血・黒色便)することがあります。また胃だけではなく、全身のリンパ節が腫大するので、首・わきの下・股下に腫瘤として触れることがあります。

原因

感染症や炎症があるとリンパ球が異常増殖しリンパ腫になると考えられております。胃MALTリンパ腫の場合、ヘリコバクターピロリ菌が感染していることが多く原因と考えられています。B細胞性リンパ腫に関しては、免疫の異常で起こっていると考えられますが、はっきりとした原因は分かっておりません。

検査

上部消化管X線検査

造影剤を服用してからX線撮影を行います。これによって胃の形状、粘膜の状態を確認できます。

上部内視鏡検査(胃カメラ)

胃内視鏡検査(胃カメラ)で胃粘膜を直接観察することで分かります。

治療

MALTリンパ腫の場合
限局しているとき : ピロリ菌がいる場合→感染を排除するため除菌治療を行います。
ピロリ菌がいない場合→放射線治療を行います。
全身に転移があるとき : 化学療法(抗がん剤治療)などが行われます。

B細胞性リンパ腫の場合
症状・大きさ・病理結果などで治療法法は変わってきますが、化学療法(+放射線療法)、分子標的薬などで治療を行います。

40歳をこえたら胃カメラをお勧めします

家族が胃悪性リンパ腫と診断され心配になり 自分も胃カメラを受けてみたらピロリ菌が感染していることがわかった、など家族内でピロリ菌感染をしている場合があります。検査を受け 必要があれば適切な治療を受けることで胃悪性リンパ腫や胃がんのリスクを減らすことができます。そのためにも高精度な検査を提供している医療機関で精密な胃カメラを受けることが重要です。

日本では罹患率や死亡率が高い胃がんは、胃悪性リンパ腫と同様にピロリ菌感染が原因になります。また胃悪性リンパ腫や胃がんは早期の自覚症状に乏しいため進行してから発見されることが多く、大変な治療が必要な怖い病気という印象があると思います。しかし、早期に発見して適切な治療を受ければ生活や仕事に影響なく完治可能な病気です。自覚症状のない早期の段階でも、内視鏡検査であれば発見が可能です。そのため、早期発見には定期的な内視鏡検査が有効です。特にリスクが上がりはじめる40歳を超えたら、症状がなくても胃カメラを受けることが重要です。病変がない場合でも粘膜の状態を確認してピロリ菌感染の有無を調べることでより適切な予防につなげることもできます。また、当院では胃カメラの際に、食道や十二指腸も全例しっかり調べております。ご家族にがんになった方がいるなどは、40歳を待たず早めにご相談ください。


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※血液をサラサラにする抗凝固薬、抗血小板薬などをお飲みの方は、これらの薬を内服したまま検査を行った場合、病変が見つかっても切除してくることが出来ないことがあります。ただし、むやみに休薬すると心筋梗塞や脳梗塞の再発リスクがある患者さまがいらっしゃいますので、休薬してよいか処方医に当院から確認させて頂きます。

※糖尿病のお薬(インスリン注射含む)を使用中の方もお食事を抜くことによる血糖変動のリスクがあります。検査時間を細かく計画いたしますのでご相談ください。

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